夜クラシック 2025-2026シーズン

人気アーティストの演奏による極上の音楽で安らぎのひとときを・・・

夜クラシック 2025-2026シーズン
全4回ラインアップ紹介

テーマ曲「月の光」ではじまり、人々を安らぎのひとときへ誘う「夜クラシック」
2025-2026シーズンの聴きどころを、音楽ライターがご紹介いたします!

文:高坂 はる香

 

 めずらしい編成や魅力的なアーティストの組み合わせ、そして演奏家の人柄を窺うことができるトークのあるコンサートで、幅広い年齢層から人気を集める「夜クラシック」。
 2025-2026シーズンには、シリーズお馴染みの人気アーティストたちが多数登場。同時に初登場となる顔ぶれもとても豪華だ。彼らがこのコンサートのために選ぶ、シリーズテーマ曲「月の光」にはじまるバラエティに富んだプログラムも、魅力的なものばかり。
 12年目のシーズンを迎える「夜クラシック」、それぞれの公演の出演者の魅力、プログラムの聴きどころをご紹介しよう。

Vol.37

2025年711日(金)1900開演

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出演:仲道郁代(ピアノ)、岡本誠司(ヴァイオリン)、伊藤悠貴(チェロ)

曲目:
シューベルト/即興曲第3番 Op.142-3、アヴェ・マリア、セレナーデ
       ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第2
       ピアノ三重奏曲第2

 Vol.1以来、ほぼ毎シーズン「夜クラシック」の舞台で新しい音楽を聴かせてくれる、ピアニストの仲道郁代。今回はヴァイオリニストの岡本誠司、チェリストの伊藤悠貴という、ソリストとして世界に活躍の場を広げる俊英たちとの共演で、ピアノ入りの室内アンサンブルの魅力を届けてくれる。

 3人は、2027年に没後200年を迎えるベートーヴェンのピアノトリオ全曲演奏会をスタートさせるなど、すでに共に演奏した経験がある顔ぶれ。ベートーヴェンの音楽の探究をライフワークとする仲道がそのパートナーとして選んだ、信頼を寄せる共演者ということになる。

 今回3人が、ピアノソロ、デュオ、そしてトリオという多彩なスタイルで向き合う作曲家は、シューベルトだ。「アヴェ・マリア」という広く親しまれる作品から、31歳の若さで他界した彼の晩年の傑作であるピアノ三重奏曲第2番まで、多角的な視点から作曲家の魅力に迫る。



Vol.38

2025年103日(金)1900開演

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出演:笹沼 樹(チェロ)、 實川 風(ピアノ)



曲目:ドビュッシー/チェロとピアノのためのソナタ
グラナドス/スペイン舞曲より
カサド/チェロとピアノのためのソナタ
ピアソラ/ル・グラン・タンゴ
實川 風/チェロとピアノのための新作(初演)

 ソリスト、オーケストラ奏者として活躍する他、室内楽奏者としても数々の受賞歴を持つチェリストの笹沼 樹と、ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール入賞、室内楽においても共演者たちからあつい信頼を寄せられる、ピアニストの實川 風。それぞれ別の共演者と「夜クラシック」に出演したことのある二人が組んで、Vol.38に登場する。

 彼らが選んだのは、フランスのドビュッシー、スペインのグラナドスとカサド、そしてアルゼンチンのピアソラという、近代を中心に活躍した多彩な作曲家たち。力強さと繊細な表現力を併せ持つ二人が、それぞれの音楽世界を鮮やかに描き分けてくれるだろう。また、實川自ら作曲を手がけるチェロとピアノのための新作の初演にも注目したい。

 年代の近い二人が演奏とトークで生み出す和やかな空気感も楽しみ。すでに共演を重ねる彼らならではのぴたりとあった呼吸で、楽曲の魅力を存分に教えてくれるに違いない。

Vol.39

2025年124日(木)1900開演

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出演:前橋汀子(ヴァイオリン)、荘村清志(クラシック・ギター)

曲目:エルガー/愛の挨拶
クライスラー/美しきロスマリン、愛の悲しみ
タレガ/アルハンブラの想い出 
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ ほか

  「夜クラシック」への登場は3度目、2024年3月Vol.32でのヴィヴァルディ「四季」における若手奏者たちとのアンサンブルが記憶に新しい前橋汀子。一方、2018年のVol.16における盟友・福田進一とのギターデュオほか、たびたび文京シビックホールの舞台に立つ荘村清志。各々の楽器界で日本を代表するレジェンドの二人が、ヴァイオリンとギターという珍しいアンサンブルを披露する。

 二人はそれぞれ、前橋はロシアとアメリカ、荘村はスペインと、まだティーンエイジャーだった1960年代に海外に飛び出して学んだ経験がある。20世紀の巨匠の教えを直々に受け、貴重な精神と演奏テクニックを受け継ぐ存在だ。両者は30年以上前にも共演しており、近年、再びスペシャル・デュオとしてステージをともにするようになった。

 演奏するのは、クライスラーのヴァイオリン小品や、ギターのマスターピース「アルハンブラの想い出」など、誰もが耳にしたことのある名曲ばかり。ベテランの味わい深い音がどのように対話し、歌声を重ねるのだろうか。

Vol.40

2026年25日(木)1900開演

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出演:清水和音(ピアノ)、松田理奈(ヴァイオリン)

曲目:ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第3
クライスラー/前奏曲とアレグロ
シューマン/3つのロマンス Op.94
チャイコフスキー/なつかしい土地の思い出

 人気ヴァイオリニストの松田理奈と、日本を代表するベテランピアニストの清水和音が、「夜クラシック」に初登場! 
 
 デビューから40年以上が経った今も、揺るぎないテクニックとスケールの大きな音楽によりソリストとして活躍する清水だが、近年は 幅広い年代の共演者との室内楽にも積極的に取り組む。世代は違うが、二人は松田が15歳の頃から交流があるといい、これまで録音やコンサートで共演を重ねてきた。
 
 今回は「月の光」に続けて、清水が長く向き合い続けるレパートリーであるベートーヴェンのピアノ・ソナタより第14番「月光」、さらにヴァイオリンとのデュオによるブラームス、クライスラー、シューマン、チャイコフスキーの名作が並ぶ。

 エレガントで可愛らしい雰囲気の松田と、歯に衣着せぬトークでおなじみの清水という旧知の仲の二人による、言葉の掛け合いもあわせて楽しみにしたい。

 

 
 来シーズンは、すでに共演を重ねる息ぴったりのアンサンブルを中心に、それぞれが「夜クラシック」のコンセプトに似合うプログラムを届けてくれる。名手の音楽性が交わることで、表現の幅が数倍にも膨れ上がるアンサンブルの魅力を、存分に味わえるだろう。
 シリーズセット券を入手して、文京シビックホールに"夜のプログラム"を聴きに出かけることを定期的な楽しみにしてみてはいかがだろうか。

取材・文:高坂はる香(こうさかはるか)

音楽ライター、編集者。大学院でインドのスラム支援プロジェクトを研究。その後、ピアノ専門誌の編集者を経て、2011年よりフリーライターとして活動。国内外でピアニスト等の取材を行うほか、世界のピアノコンクールの現地レポートも配信している。著書に「キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶」(集英社刊)。
HP「ピアノの惑星ジャーナル

夜クラシック 2025-2026シーズンセット券(4回連続券)

シビックチケットのみの取扱い

シビックチケット03-5803-1111

(10時〜19時/土曜日・日曜日・祝日も受付。ただし、12月28日から1月4日は休業。)

【セット券販売期間】

2024年11月30日(土)10:00~2025年3月31日(月)19:00までの期間限定販売

 ※セット券はS席のみ販売いたします。
 ※セット券は4公演同一席のみの販売となります。

4公演セット券 S席 9,000円
(1回券 S席3,000円、A席2,000円)1公演分3,000円 お得!!

【1回券の発売日は後日ホームページ・チラシ・広報紙等で発表いたします】

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