スペシャルインタビュー BUNKYO SIENA POPS 2019

~2019年11月23日(土・祝)「BUNKYO SIENA POPS 2019 わが青春のポピュラーミュージック!Part.2 」~

須川展也(指揮・サクソフォン)/三浦秀秋(編曲)
スペシャルインタビュー

映画やテレビ番組の名曲など、
時代を彩ったポピュラーミュージックをテーマに、
文京シビックホールとシエナ・ウインド・オーケストラがお届けするオリジナル・シリーズ第2弾。
今年はサクソフォン界の重鎮、須川展也さんを指揮者に迎えた強力タッグが実現。
他にも、ジャズ&フュージョン・ギターのレジェンド、渡辺香津美さんとの
ジャズ・セッションなど新企画が盛り沢山です。
当日はサクソフォン演奏でも参加して、ホール20周年記念委嘱作品を初演する須川さんと、
昨年に続いてアレンジを担当する気鋭の作・編曲家、三浦秀秋さんのお二人に、
本公演への意気込みやプログラムの聴きどころなどについてお話を伺いました。
本公演オリジナル・プログラムに寄せる
シビックホール公演担当者の想いとともにご紹介いたします。

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指揮・サクソフォン

須川展也

Nobuya Sugawa

日本が世界に誇るサクソフォン奏者。そのハイレベルな演奏と、唯一無二のレパートリーが国際的に熱狂的な支持を集めている。国内外の有名オーケストラと多数共演し、世界的な評価を得ている。デビュー以来長年にわたり同時代の名だたる作曲家への作品委嘱を続けており、その多くが国際的に広まっている。東京藝大卒。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位。98年JTのTVCM、02年NHK連続テレビ小説「さくら」のテーマ演奏等、TV・ラジオへの出演も多い。89-2010年まで東京佼成ウインドオーケストラのコンマスを務めた。トルヴェール・クヮルテットのメンバー、ヤマハ吹奏楽団常任指揮者、イイヅカ☆ブラスフェスティバル・ミュージックディレクター、静岡市清水文化会館音楽アドバイザー&マリナート・ウインズ音楽監督。

オフィシャルHP http://www.sugawasax.com
facebook          https://www.facebook.com/NobuyaSugawa.saxophone

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作編曲家

三浦秀秋

Hideaki Miura

1982年生まれ。東京都在住。中学・高校と吹奏楽部でトロンボーンを吹く傍ら作編曲に興味を持ち、次第にそちらの世界に踏み込むようになる。高校卒業後、専門学校東京ミュージック&メディアアーツ尚美に入学し、作曲を川崎絵都夫、松尾祐孝の両氏に、ポピュラー&ジャズ理論を篠崎秀樹氏に師事。2004年3月、同校を卒業。現在オーケストラ、吹奏楽、各種商業音楽など幅広いジャンルに作・編曲をしている。最近の目立った仕事としては、京都市交響楽団&加藤ミリヤオーケストラコンサートアレンジや、加藤登紀子シングルアレンジ、くるり各種アレンジ、ヤマハミュージックメディア「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」編曲参加など。現在、洗足学園音楽大学講師。2003年、日本現代音楽協会「コントラバス・フェスタ」に公募入選、出品。2004年、2005年、2013年、2017年、"響宴"に入選、出品。

オフィシャルHP https://h-miura.net/


取材・文:東端哲也  写真:星ひかる

お客さんに喜んでもらえることが第一

ー今回、須川さんを指揮者としてお迎えしました。

須川:シエナ・ウインド・オーケストラをはじめ、東京佼成ウインドオーケストラでもヤマハ吹奏楽団でも同じなのですが、僕はもともとサクソフォン奏者ですので、指揮をする時はいつも楽曲を盛り上げようという気持ちでやらせていただいています。そして今回のように必ず、サクソフォン演奏で参加できる「吹き振り」曲を用意してもらっていますね。

三浦:須川さんとご一緒するのがいつも楽しみです! 楽譜を深く理解した上で、読み取り方が独特で、現場では須川さんらしいアイデアがいくつも飛び出す。毎回リハーサルから盛り上がっています。

須川:こちらこそ、三浦さんにはいつもお世話になっています。つい最近も大きなプロジェクトで2曲ほどアレンジをお願いしたばかり。今回も大いに期待していますよ!


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ー今年は3部構成。第1部は前回も好評だった「ロードショー・メドレー」です。

三浦2015年にリリースされたシエナのアルバム『THE テーマ』のために編曲した、かつて各テレビ局で毎日のように放送されていた映画番組のオープニングやエンディングの楽曲です。私の世代でも、作品解説を担当されていた淀川長治さんの名調子などと共に記憶に残っていますが、特にシニア世代の方は、どれもリアルタイムで懐かしいのではないでしょうか。前回、Part.1の時もロビーで想い出話に花を咲かせていらっしゃる方々をたくさんお見かけしました。

須川:自分たちが気持ち良く演奏することは大切ですが、やはりお客さんに喜んでもらえることが第一。「ロードショー・メドレー」のような楽曲は、例えば番組を知らない若い世代の吹奏楽団もレパートリーに加えてみたらいいと思います。演奏を聴きに来てくれる親御さんたちに、きっと大ウケですよ(笑)。

―次に、往年の名画テーマのコーナーでは、『ライムライト』や『慕情』『エデンの東』など、超名作映画のテーマが3曲続きますね。

三浦:どれも時代を超えて愛されている名テーマたちなので、オリジナルに敬意を払いつつアレンジする予定です。

須川:つくづく名画には名テーマが付きものだということですね。

ホール公演担当者:このシリーズは概ね1950年~60年代の映画、テレビ、ラジオ、レコードなどを通じて一世を風靡した様々なPOPSにスポットをあてています。とは言え、映画音楽、ロック、ダンスミュージック、ビッグバンドジャズ、ミュージカル、スタンダードナンバーなど、ジャンルは多岐にわたっていて、1回、約2時間のコンサートで全てを網羅することは残念ながら不可能です。だからこそ定番と言われる曲を優先的に取り上げ、脈絡を考えながら構成しています。今回は、後半に邦楽をメインとしたコーナーを設けているので、前半では洋楽を中心にお聴きいただきます。この3曲はチャップリン、ウィリアム・ホールデン、そしてジェームズ・ディーンら名優に思いをはせながらお楽しみください。その他に初代ジェームズ・ボンドを務めたショーン・コネリー主演、『007シリーズ』からテーマ曲をメドレーでお贈りする予定です。

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―ジャズギタリストの渡辺香津美さんを迎えた「センチメンタル・ジャズ・コレクション」では、「時の過ぎゆくままに」や「酒とバラの日々」など、スタンダード・ナンバーで大人の雰囲気が味わえそうです。

須川:ここではシエナのメンバーからセレクトした小編成のアンサンブルで、ギターとのスペシャルなジャズ・セッションをお届けしようと思っています。何しろあの渡辺香津美さんですから、私たちをうまくリードしてジャズの世界に引き込んでくれるのは間違いないです。

三浦:全体的に壮大な楽曲が多いプログラムなので、このセッションがいいアクセントになればいいですね。皆さんに渡辺香津美さんのスーパープレイを堪能していただきたいので、できるだけアドリブの余地を残して、あまりガチガチのアレンジにならないように気をつけたいと思います。

ホール公演担当者:全4曲で構成されたジャズメドレーです。どの曲も多くのアーティストによってカバーされ、様々なバージョンが存在しますが、今やジャズのスタンダードとして愛されている曲ばかりです。映画『カサブランカ』の名セリフ、名シーンや、今年5月に惜しまれつつ亡くなったドリス・デイを思い出しながら聴いていただきたいです。三浦さんのアレンジが楽しみです!

須川さんのテクニックがキラリと光るような凝った編曲を考えています。

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―第2部はリクエスト・コーナーですね。現在、ハガキやメール、FAXで「心に残るとっておきの1曲」をそれにまつわるエピソードと共に募集中です。(応募締め切り:9/30必着)

三浦:どんな曲が上位に来るのか今からワクワクします。当日はナビゲーターの朝岡聡さんに、エピソードなども紹介しつつ発表していただく予定です。

須川:リクエストしたご本人もきっと会場にいらっしゃるでしょうね!

ホール公演担当者:数えきれない程のPOPSがあるのと同じくらい、それらをいつ、誰と、どんなシチュエーションで聴いたかによって、想い出の数も無数だと思います。とっておきの「わが青春のポピュラーミュージック」をエピソードと一緒にどしどしご応募ください。現在、『ひまわり』『風と共に去りぬ』など50タイトルほどリクエストをいただいてます!
(※エピソードの記入がなくても応募可能)

―第3部は、夏の甲子園・高校野球大会のテーマ曲〈栄冠は君に輝く〉など、古関裕而作曲のスポーツ行進曲特集から始まります。

三浦:こちらは編曲なしのオリジナル版をシエナによる演奏でお楽しみいただきます。

ホール公演担当者:この次の曲で、シビックホール20周年と東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を記念して東京にまつわる昭和のヒット曲をメドレーにした委嘱作品をお楽しみいただく予定です。「東京オリンピックマーチ」はメドレーに入れたかったのですが、事情があってかないませんでしたので、メドレーに先駆け、昭和を代表する大作曲家のマーチ3曲をお聴きいただくことにしました。

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―そして文京シビックホール20周年記念委嘱作品でもある「トーキョー・ラプソディ2020」は今回の公演の目玉ですね。

ホール公演担当者:以前からホールの20周年とオリンピックの開催を記念して"東京"をテーマにした委嘱作品を手掛けたいと思っていました。それでサクソフォンをソロパートとしてフィーチャーしつつ、吹奏楽のためのコンチェルト風の作品にしたいと須川さん、三浦さん、そしてシエナさんに相談したらご快諾いただきました!メドレーの制作にあたっては、コンサートイマジンさんにもご協力いただきましたので、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。また、この作品は聴くだけでなく、多くの吹奏楽ファンの方々にも実際に演奏していただきという思いを込めて、ウィンズスコアさんより楽譜の出版も予定しています。オリンピックシーズンに向けて多くの場で演奏していただきたいと思います!

三浦
:キーワードは東京(江戸)。「暴れん坊将軍」に始まり、瀧廉太郎の「花」や昭和の流行歌である「銀座カンカン娘」「東京キッド」などから、「男はつらいよ」までをメドレーにしたものです。曲と曲との繋ぎ部分も作り込んで、須川さんのテクニックがキラリと光るような凝った編曲を考えています。ご期待下さい!

須川:「有楽町で逢いましょう」とか面白そうですね。どんな作品が出来上がるか待ち遠しいです。

シビックホールの温かい響きはウインド・オーケストラには理想的な空間


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―では、最後にお二人にとってシエナ、そして文京シビックホールの魅力とは?

三浦:曲によって万華鏡のように変化する音色の豊かさと、指揮者の個性に反応する感度の良さにはいつも驚かされます。編曲する時も、シエナだったらきっとこんな風に演奏してくれるはずだと予想できるので、とても編曲しやすいです。また、僕は学生時代シビックホールのすぐ近くにある尚美ミュージックカレッジで学んだので、このホールは馴染みのある場所。学内オーケストラのコンサートやミュージカル学科の卒業公演のハレ舞台としてお世話になっていました。響きだけでなく、昼下がりのガラス越しに光がさすロビーの開放的な雰囲気も大好きです。

須川:シエナからはいつも刺激を貰っています。シビックホールの温かい響きはウインド・オーケストラには理想的な空間です。現代における「吹奏楽」と聞くと、若い人やコンクールのための音楽というイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、シニア世代にとっては若い頃から親しみの深いものだと思います。だって元々は、貴族など特権階級の独占から音楽を解放し、広く庶民が楽しめるようにしたスーザバンドの流れを汲むものなのですから! そういう意味でも本企画「わが青春のポピュラーミュージック!」を大いにお薦めしたいですね。たくさんの方々のご来場をお待ちしております。

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取材・文東端哲也(ひがしばた てつや)

1969年徳島市生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。音楽&映画まわりを中心としたよろずライター。インタビュー仕事が得意で守備範囲も広いが本人は海外エンタメ好き。
Twitter:batajan

BUNKYO SIENA POPS 2019 わが青春のポピュラーミュージック!Part.2 

2019年11月23日(土・祝)15:00開演

文京シビックホール 大ホール

出演

指揮・サクソフォン/須川展也(*)
ギター/渡辺香津美(**)
吹奏楽/シエナ・ウインド・オーケストラ 
ナビゲーター/朝岡 聡

編曲

三浦秀秋

曲目

ロードショー・メドレー 
 万華鏡~ピーターパン序曲~水曜日の夜~フライデーナイト・ファンタジー
 ~ゴールデン洋画劇場のテーマ~ソー・イン・ラヴ
ライムライト「テリーのテーマ」
慕情
エデンの東
センチメンタル・ジャズ・コレクション (**)  
 
時の過ぎゆくままに~センチメンタル・ジャーニー~サマー・タイム~酒とバラの日々
ザ・テーマ・オブ "007" 
 ロシアより愛をこめて~ゴールド・フィンガー~サンダーボール作戦~ドクター・ノオ
リクエスト・コーナー 「マイ・フェイバリット・ナンバー!」
 
※リクエスト曲募集中!詳細は下記をご覧ください。
<古関裕而/スポーツ行進曲特集>
 栄冠は君に輝く
 スポーツショー行進曲
 東京オリンピックマーチ
<文京シビックホール20周年記念委嘱作品>トーキョー・ラプソディ2020 (*)
 吉宗評判記暴れん坊将軍BGM~花~東京行進曲~東京ラプソディ~銀座カンカン娘
 ~東京の屋根の下~東京キッド~有楽町で逢いましょう~男はつらいよ

料金

S席 5,000円 A席 4,000円 B席 3,000円《全席指定・税込》
学生割引あり。
S席2,500円 A席2,000円にて販売。
※学生割引はシビックチケットのみ(窓口・電話予約)での取扱いとなります。
※ご入場時に必ず学生証を提示ください。提示が無い場合は、当日受付にて通常価格との差額をお支払いいただきます。

文京シビックホール特別企画
最大20%お得になる「3公演セレクトチケット<1>」販売中!
詳しくはこちらをご覧ください。

お問い合わせ

シビックチケット 03-5803-1111(10時~19時/土・日・祝休日も受付。)


「わが青春のポピュラーミュージック!」で皆様のリクエストにお応えします!

皆様の心に残るとっておきの一曲を、その曲にまつわるエピソードを添えてご応募ください。
(どなたでもご応募いただけます)
その中からリクエストの多かった曲を中心に、本公演内の「マイ・フェイバリット・ナンバー!」にて
発表・演奏いたします。また、ご応募くださった方の中から抽選で5名様にシエナ・ウインド・オーケストラの
CDをプレゼントいたします。

【予定プレゼントCD】<THE テーマ>(avex-CLASSICS) 演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
          「ロードショー・メドレー」や「刑事コロンボ」など往年の名曲を多数収録。

【応募方法】下記①~⑦を明記の上、ご応募ください。
 ①リクエスト曲 ②その曲にまつわるエピソード ③年齢(〇〇代)④性別 ⑤氏名
 ⑥賞品の送付先 ⑦連絡先(電話番号)
《宛先》
・郵送の場合:〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 文京シビックセンター2F
                         文京シビックホール ホール事業係 「わが青春のポピュラーミュージック!リクエスト」係
・メールの場合:civichall@b-academy.jp
・Faxの場合:03-5803-2230

【応募締切】2019年9月30日(月)必着

※エピソードのご記入がなくてもご応募できます。
※ご記入いただきました性別、年齢、エピソードはコンサート当日に発表される場合がございます。
※ご記入いただきました個人情報は、商品の発送目的以外では使用いたしません。
※抽選結果は商品の発送をもって発表いたします。(発送は2019年11月頃の予定)
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